スムージーによる様々なメリットは、新鮮な自然の食べ物の力です。生の野菜や果物は、そのままでも十分素晴らしいのですが、それをスムージーにすることで、よりたくさんの効果を得る事ができます。
食材をスムージーにするメリットはいくつもあります。初めてスムージーに取り組む方にも、わかりやすくメリットを伝えることは大切ですので、しっかり押さえておきましょう。
ピュアスムージーにする理由
スムージーにすることで得られるメリット
- そのまま食べるよりが消化がよい
- 野菜や果物の量がしっかり摂取できる
- 栄養素の吸収効率が格段に上がる
- デトックス効果の高いクロロフィルがしっかり摂取できる
- 撹拌することで酵素が活性化する
- 「飲む」のではなく「食べる」ことで、血流やホルモン分泌を促す

水や氷を入れずに生の野菜と果物を撹拌したスムージーは、生野菜をサラダにしたり、フルーツをそのまま食べることよりも様々なメリットがあります。
撹拌して組織が細かくなっていることにより消化により負担がかかりにくくなること、そのまま食べることに比べ摂取できる量が増えることに加え、特に重要なのは、【栄養素の吸収率があがる】【クロロフィルがしっかり摂取できる】【酵素が活性化する】【「噛む」ことによる効果が得られる】ことです。
それぞれ詳しく解説していきます。
メリット①栄養素の吸収率が格段にあがる
日本では、厚生労働省の一日の野菜摂取量目安は平均350g以上を目標としています。このうち、色の濃い緑葉野菜が120g、淡色野菜が230g程度の目安量と言われます。またアメリカでは、グリーンの葉野菜の量だけでもぎゅうぎゅうに詰めて6カップの摂取が1日の目安と言われています。

摂取量を増やすために、焼いたり、蒸したり、とかさを減らす調理法を想像されるかもしれませんが、ここまで学んできて、加熱すると失われる酵素や栄養素がたくさんあることを知っていれば、できるだけ生で取り入れたいと思われるでしょう。
しかし、生野菜をそのままサラダで食べるとすると、葉野菜だけで一日2回3カップ、毎食食べても毎回2カップです。これを全ての食事に加えるのはとても現実的ではありません。
メリット②スムージーを活用することで野菜の摂取量が増える!
スムージーにすることで、たくさんの量を生で摂取しやすくなります。また果物も、普段はむいてしまうりんごの皮や、取り除いてしまう柑橘系の薄皮や袋などの栄養価が一番高い部分を丸ごと摂取する事ができることで、野菜や果物の摂取量を格段に増やすことができます。
Lesson5-1で詳しく説明しますが、この部分にはファイトケミカルというアンチエイジングには欠かせない栄養素がたっぷり含まれているので、ぜひとも取り入れたい部分です。
さらに、たっぷりの栄養素は撹拌されることにより、細胞壁が壊れて体に吸収しやすい状態になります。吸収率も高まり、効率よく取り入れることができます。
メリット③デトックス効果の高いクロロフィルがしっかり摂取できる
ミキサーで撹拌することにより、グリーンの葉野菜に含まれるデトックス効果の高いクロロフィルをしっかり摂取できます。
クロロフィルはグリーンの植物の中に含まれる緑色の成分です。その特出した魅力は、高いデトックス力です。食物繊維の1/5000と大変小さく、これが腸壁内の柔毛の間に入りこみ、通常では取り出しにくい柔毛の間の老廃物や有害金属をからめとって排泄してくれます。
通常、クロロフィルは植物の主要構造であるセルロースという固い細胞壁の中にあるため、現代人の弱った咀嚼力と胃酸の力では、しっかり消化吸収することが難しくなっています。しかし、撹拌してスムージーにすることにより、細胞壁を壊してクロロフィルを取り出すことができるので、吸収率が格段にあがり、デトックス力を高めることができます。
その差は2倍以上とも言われています。

メリット④酵素が活性化する
撹拌したりすり下ろすことで酵素が活性化します。その活性率は2倍〜3倍に匹敵すると言われており、これにより消化がより一層スムーズになります。
ここまででも少し触れましたが、すり下ろすことによる酵素の活性化は、昔から日本でも食の知恵として取り入れられています。焼き魚に添えられる大根おろしは、タンパク質の消化を助ける働きがある大根の酵素のジアスターゼをしっかり取り入れています。また、風邪をひいた際にりんごのすり下ろしを食べるのも同じ原理です。

ただ、酵素が活性化すると発酵や酸化も進みやすくなるため、スムージーを暑い時期に常温で放置することや持ち運びはおすすめできません。冷蔵庫での半日くらいの保存なら可能ですが、食べるタイミングは出来立てが一番おすすめです。
メリット⑤「噛む」ことによる効果
ピュアスムージーは「飲む」ものではなく「食べる」ものです。「噛む」ことで得られるメリットが多くあるため、「食べる」ことを意識することが大切です。
噛むことによる効果
- 体内で消化の準備が始まる
- 唾液と混ざることでスムーズに消化できる
- 脳内の血流がアップする
- 満腹中枢を刺激するホルモンの分泌を促す
通常の「飲む」スムージーとの大きな違いの一つは「噛む」事です。 噛む事によって得られる効果は非常にたくさんあります。
まず体内で消化の準備が始まり、唾液の消化酵素であるアミラーゼと混ざる事で、よりスムーズに消化できるようになります。また、噛む事で刺激が脳に伝わり、脳内の血流がアップする事で、朝からしっかり頭を働かせることができる点も、午前中からしっかり活動したい私たちには魅力的です。
そしてもう一つ大切なのが、ホルモンの分泌を促す事ができる点です。噛む事で分泌されるホルモンに、満腹中枢を刺激するヒスタミンなどがあります。

これは満腹感UPのホルモンともいわれ、満腹信号として食欲をコントロールするとともに、内蔵脂肪の分解を促し、体温を上げてエネルギー代謝を活発にします。ダイエットしたい女性にはとても嬉しいホルモンですが、これは意識して「噛む」ことをしないと分泌されないと言われています。(ホルモンの分泌についてはLesson5-4でもう少しくわしく解説します)
グリーンスムージーが流行した際、繰り広げられた様々な論議のひとつに、噛まずに飲んでしまう事への悪影響があげられていました。スムージースペシャリストのメソッドでは、噛むことのメリットを重視し、噛んで「食べる」ものとしてスムージーを取り入れていることが特徴です。
Lesson4-1 まとめ
- スムージーにする理由は様々あり、食材をそのまま食べるよりもメリットが大きい。
- 簡単に作れる上に、消化や栄養の吸収、植物の性質、ホルモン分泌まで、私たちの体を照らし合わせて構成されているのがスムージースペシャリストの食べるスムージーである。
- スムージーは「飲んで」しまいがちだが、「噛む」ことはとても大切である。スムージーを食べるよう意識してみる。