Lesson3-3 同じものを食べても働きが変わる 食べ合わせの秘密

美腸をつくるために大切な、消化に負担をかけない食事。食材選びも大切ですが、もう1つ食べ合わせも大切なポイントです。

消化と食べ合わせの関係

食べ物には、それぞれ消化のスピードがあります。例えば、果物は消化にかかる時間が最も短く30分〜1時間ほど、炭水化物単体だと3時間〜5時間、動物性タンパク質単体だと約8時間ほどかかると言われています(個人の消化力によっても異なります)。

ただこれは、単体で食べた場合の消化時間目安です。私たちの普段の食事では何かを単体で食べることは殆どありません。一度の食事で何を一緒に食べるか、食べ合わせによってその消化時間は大きく変わります。

消化に負担がかかる組み合わせとは?

  • 動物性タンパク質と炭水化物の食べ合わせ
  • でんぷん質が多いものと動物性タンパク質の食べ合わせ

この食べ合わせは最も消化に時間がかかるもので、胃での滞在時間は約18時間〜24時間とも言われています。その間ずっと胃は働きつづけ、消化酵素も使われ続けるため、とても大きな負担が体にかかっています。

「動物性タンパク質と炭水化物の組み合わせ」と聞くと、どのようなものが思い浮かぶでしょうか?そう、日本の定番の食事や丼ものは、ほとんどこの組み合わせとなります。

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動物性タンパク質と炭水化物の組み合わせの代表的存在の牛丼

一見健康的に見える和の定食も、動物性タンパク質と炭水化物がメインです。

一見健康的に見える和の定食も、動物性タンパク質と炭水化物がメインです。

消化に時間がかかる事の弊害とは?

消化に負担がかかる食べ合わせをすると、何が良くないのでしょうか?

体内に長時間食べ物が滞在することで、腐敗・発酵する

負担がかかる食べ合わせの食事を摂取すると、長時間消化されずに私達の体内に食べ物がとどまることとなり、腐敗、発酵が始まります。

37℃前後の私たちの体内に食べたもの24時間もあるという状態は、真夏に常温で肉や魚を放置しておくのと同じような状況です。そのような状態では、食べ物が腐敗するのも容易に想像できますね。それと同じことが体内でも起こっているのです。

一度腐敗したものは、体は栄養素として利用することはできません。むしろそのような状態になった食べ物は体にとって有害な存在となります。

食後の強い眠気

消化に負担がかかる食事をすると、食後に強烈な眠気が襲ってきます。これは、体が食べたものを腐敗させないよう、脳で使うエネルギーや血液も全て消化のために使っているからだと考えられています。せっかくの食べたものが有害な物質になることは、体にとっても負担が大きいので避ける必要がある事態です。また、炭水化物など血糖値を急上昇させるものも、食後の眠気の原因となります。

お仕事をされている方、勉学に励むお子様をお持ちの方にとっても、食後の眠気は可能であれば避けたいものでしょう。午後の1時間が有効に使えるかどうかがここで変わります。

負担がかからない正しい食べ合わせとは?

動物性タンパク質や炭水化物を食べたい場合におすすめの食べ合わせは、生野菜と一緒に食べる事です。

単体のタンパク質+生野菜のサラダ、炭水化物+生野菜のサラダという組み合わせにすることで血糖値の急上昇も抑えられ、消化にかかる負担もぐっと軽くなります。消化に負担がかからない食事をすることで、快適で効率的な午後の時間を過ごすことができます。

消化のスピードが全く異なるものの食べ合わせ

消化のスピードが異なる食べ物はできるだけ同時に食べない事が理想的ですが、もし一緒に食べる場合は、消化が早いものから食べるようにします。

例えば、果物。日本料理では食後のデザートとして出されますが、果物は食後に食べるには適していません。
消化に時間がかからない果物は、胃に食べ物が入った状態で後から入ると、果物は腸に進む事ができず胃の中で発酵を始めます。そうすると先に入っていた食べ物まで、腐敗、発酵してしまい、結果として全体が栄養素として利用できなくなってしまいます。

消化のスピードが異なるものを同時に食べると食べ合わせが悪いことは、昔からの知恵としても伝えられています。例えば「うなぎとスイカ」、「天ぷらとスイカ」などは、最も消化に負担がかかるものと消化が早いものの食べ合わせです。
うなぎや天ぷらのデザートとしてスイカを食べると、胃の中で発酵し不調をきたします。

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消化の時間が短いものから食べることで、胃から腸に向かうことを妨げないですみます。果物を食べるならデザートではなく、まず食事の最初に食べるようにしましょう。

生活への取り入れ方

消化に負担がかからない食事がしたい、と思った時に、実際外食では難しいのが現状です。炭水化物と動物性タンパク質の食べ合わせは、殆どの外食メニューの定番です。健康的に見える定食も、ほどんどの場合お肉や魚にご飯がセットになっており、消化に時間がかかる食べ合わせです。パスタやうどんなどの精製された炭水化物も、血糖値を上げることで食後の眠気に襲われる人が多いででしょう。

外食でたっぷりのサラダを食べることは難しいですが、単品で追加したり、セットの炭水化物を抜く、動物性のものは控えてみるなど、小さな工夫をしてみましょう。
それによって食後に快適に過ごせる実感ができれば、無理せずに継続することもできるでしょう。実感を積み重ねながら、食習慣として身に付いけていきましょう。

Lesson3-3 まとめ

  • 食べ物にはそれぞれ消化にかかる時間異なり、食べ合わせによって大きく変化する。
  • 消化に時間がかかる食べ合わせで食事をすると、摂取した食べ物が腐敗し栄養素として体は利用することができない。
  • 外食でも食べ合わせを意識してみることで、食後の眠気を感じなくなり、食後もしっかり活動することができる。