日本における「バランスのとれた食事」を考えた時、よく目にするのは厚生労働省と農林水産省が定めている「食事バランスガイド」です。公的機関が正式に定めているため、なんとなく納得しがちですが、実は、栄養学的、科学的根拠に関してはとても曖昧なだと指摘されています。
この「食事バランスガイド」は国立保健・栄養研究所が日本人の平均的な食事を調査し、それを平均値化したものをベースに作成されています。
つまり、「栄養学的、生態学的に、『この栄養が必要なので、この食事バランスで食べればばっちり』です」という数字ではなく、単に「日本人は習慣としてだいたいこれくらいの食事をしていますよ」というデータから割り出した「食事バランスガイド」なのです。アンケート結果をもとに作成しているようなものであり、そこに科学的根拠はほとんどないと言われています。
食事バランスガイドで推奨されているように、「炭水化物・タンパク質・脂質を3大栄養素として多く摂取する食事」や、「主食が炭水化物で、副菜と主菜があり、いろんなものをバランスよく食べる」ことを良しとする今の日本の栄養学は、「食事で健康的な体を作る」という視点からは根拠が乏しいことを認識し、今の食習慣を改めて考え直してみる事が大切です。
これが「食からの健康」を作る最初の第一歩となるでしょう。
