いつまでも若々しく活力ある生活のために必要なもの、それが「酵素」
Lesson1でも何度か登場した「酵素」。いつまでも若々しく美しくいるため、活力ある生活のためには欠かせない大切なキーワードです。
酵素とは何か。どのように生活の中で意識したらいいのか。しっかり学んでいきましょう。
酵素栄養学
数年前から美容や健康分野で非常に注目を集めている「酵素」。今でこそよく耳にしますが、これまではあまりなじみがない言葉でした。そして注目を集めるようになった今でも、そもそも「酵素」とはなにか、知らないままに取り入れている方も多くいらっしゃいます。
酵素の人気の高まりは、酵素を意識した食事法であるRaw Foodが欧米諸国のセレブたちに注目を浴びたことから始まります。それが今日、日本でも話題になってきているのです。
Raw Foodとは、48℃以上に加熱調理しないことにより、野菜や果物が持つ酵素を最大限活用できる調理法であり、これは酵素栄養学に基づいて実践されています。
酵素栄養学とは何か・日本の栄養学との違い
では酵素栄養学とはどんなものなのでしょうか。日本の栄養学とは何が違うのでしょうか。
日本の栄養学が、食品のカロリー計算や栄養素の計算を中心とした「食品科学の栄養学」に対して、アメリカでエドワート・ハウエル博士の研究により始まった酵素栄養学は、「酵素を生命の維持に不可欠な栄養素として考えられた栄養学」です。
日本の栄養学は、炭水化物、タンパク質、脂質を中心とし、ビタミン、ミネラルを加えた5大栄養素を必要栄養素の中心と考え、全てをバランスよく摂取すること推奨しています。もちろん、炭水化物やタンパク質だけではなく、野菜も大切なのでたっぷりと、1日の摂取量目安は350g程度が推奨されています。
これは国が定める栄養学なので、国家資格である管理栄養士はこの理論に基づいて勉強し、病院や給食、製品開発などもこの栄養学理論をもとにメニューを定め、開発も行っています。
しかし、この日本の栄養学はアメリカなどの先進国と比較し、非常に遅れていると指摘されています。それは一体なぜなのでしょうか。
カロリーベースの日本の栄養学では見えない真実
日本の栄養学の理論の中心は「カロリーベース」です。カロリーベースの考え方は、全てが「カロリー」という数字を中心に構築されており、減量や糖尿病の治療に対しても、摂取カロリーを減らすことを最も重要視します。
全てをカロリーで計算するため、基本的に食べ物の質や内容は重視されません。極端なことを言うと、500㌔カロリーであれば、砂糖でもフルーツでも、同じ500㌔カロリーとしてカウントします。
エンプティカロリー(空のカロリー)といわれ、血糖値を急上昇させる砂糖と、同じ甘みがるものでも、ビタミン、ミネラル、ファイトケミカルなどがたっぷりのフルーツ。
これらはカロリー数が同じであっても、質として、体の中での働きとして、果たして同じものでしょうか?
例えば、コンポートになったりんごと、生のりんごは体内で同じ働きをするでしょうか?
ジャムになったイチゴと、生のいちごは?
これらは、実は全く異なるものとなっています。間違いなく、異なる栄養素を持ち、体の中では異なる働きをすることとなります。
重要なのは「カロリー」ではなく「私達の体でどのように利用されるか」
Lesson1でも少し触れましたが、果物は、食べる順番を食前にするか食後にするかでも、体への影響は全く変わってきます。また、食べる順番や胃の状態、加工度合いや調理の過程、食材の食べ合わせにより、食べたものの体への影響は大きく変わるのです。
私達の「健康」を考えた時、必要なのは「この食材にどれくらい栄養素があるか」ではなく「この食材を食べると、私たちの体にどのように利用されるのか」という考え方です。
カロリーベースとなっている今の日本の栄養学では、体内に入ってからの食物の働きはおおよそ考慮されていない事が多いのが現状です。「野菜は体にいいから濃縮還元の野菜ジュースを飲めばいい」、「糖尿病治療には減量が重要だからカロリーが高い脂質を減らそう」という選択は、実は本質的には正しいとは言いがたいものなのです。
(濃縮還元ジュースへの加工過程で加熱や添加物が加えられ栄養素はほとんど残っていないこと、糖尿病治療には本質的には炭水化物の摂取制限が最も効果的であるのに実践されていないこと、などが指摘されています。)
酵素栄養学とは何が違うの?
一方、日本の栄養学とは異なり、食品の栄養素を計算するのではなく摂取したものが体の中でどのように働くのか、酵素という視点から考えられているのが、酵素栄養学です。そして、酵素栄養学をもとに、食べたものの質や、消化吸収の働き、体の本質的なリズムや脳科学、ホルモンの働き、心への影響など、総合的に考えられたものが、ピュアスムージースペシャリストのメソッドです。
視点を当てるのはカロリーなどの「数値」ではなく、わたしたちの「体」や食材自体の性質なのです。
次からは、酵素の種類やしくみについて、詳しく学んでいきます。
Lesson2-1まとめ
- 日本の栄養学はカロリーベースの栄養学である。「モノをみる栄養学」といわれるように、食品の栄養素の計算がベースとなる。
- 酵素栄養学は、「酵素」をベースに食べたものが体にどのように消化吸収され、体のなかで利用されるのかについて視点を当てた栄養学である。 「ひとの健康」にフォーカスした栄養学であると近年注目を集めている。


