Lesson1-4 ピュアスムージー 作り方の基本ルール

スムージーの効果を引き出すための作り方のルール

自然な果物や野菜はたくさんのすばらしい力を持っており、スムージースペシャリストのメソッドは、それらの素材の力を最大限に引き出せるように構築されています。そのメソッド実践の中心となるピュアスムージーですが、これは食材の力を引き出すための基本のルールを修得することで、最大限の効果を引き出すことができます

ルールといっても、一度覚えてしまえば難しくありません。まず、基本ルール7つを押さえましょう。

作り方の基本ルール

  1. 基本的に生の葉野菜と果物を使う。(常温だとベスト)
  2. 牛乳、豆乳、ヨーグルト、市販のジュース、甘味料、サプリメントなどは入れない。
  3. ひとつのスムージーに使用する食材はシンプルに。
  4. しっかり撹拌(ミキシング)する。
  5. オーガニックなど、できるだけ安心できる食材を使用する。
  6. 出来立てが一番おすすめ。保存するなら冷蔵庫で半日くらいなら可能。
  7. グリーンの量は、おいしいと感じる量で。つづけることが大切!

①基本的に生の葉野菜と果物を使う

f4904b43e896e6e5ab0e039b3ec47b19_s

スムージーには、新鮮な生の葉野菜(グリーン)と果物を使用します。

食材はシンプルですが、旬のものを取り入れることで1年を通して様々なスムージーを楽しむことができ、また体にとっても様々なメリットがあります。旬のものは、その時期に体が必要としているものを備えているのです。(寒い季節に旬をむかえる食材は体を温める性質のもの、暑い季節に旬をむかえる食材は体を冷やす性質のもの、など。)

更にもう一つ、野菜をうまく活用するためにぜひ知って頂きたいのが、野菜の分類です。日本で「野菜」とひとまとまりと考えられているものでも、他国では野菜は「葉野菜(グリーン)」「根菜」「花野菜」「茎野菜」「甘くない果物」などいろいろな分類をされています。それぞれに特徴や性質がありますが、スムージーに使用しやすい「野菜」は、「葉野菜(グリーン)」「甘くない果物」です。

甘くない果物の例

  • トマト
  • パプリカ
  • ピーマン
  • アボカド・・・など

これらの甘くない果物を使用することでスムージーのバリエーションも広がり、甘くないのでお食事にも活用できるスムージーも作れるようになります。(使用できる葉野菜については後ほど詳しく学習します。)

fd400703

また「生の野菜や果物」と記載しましたが、スムージーに使用しないのは、加熱した野菜、缶詰などの果物などです。これらには酵素(酵素についてはLesson2-2で詳しく学びます。)が含まれておらず、生の果物や野菜と消化のスピードが異なること、また缶詰の果物には血糖値を急上昇させる砂糖が使われているため、ピュアスムージーには使用しません。

加熱食材や缶詰を使用しない理由

  • 加工段階で酵素が変性している
  • 砂糖が使用されている場合がおおい
  • 生の食材と消化スピードが異なる・・・など

例外として、冷凍フルーツなどは使用する場合もあります。この場合、体の冷えが気になる方は、スムージーで体が冷えないようにするため、事前に解凍しておくことがポイントです。また、デザートタイプのスムージーの場合、少量のドライフルーツを使用する場合もありますが、これは生の食材のみで作ったスムージーよりも腹持ちがいいので、正午以降の摂取の時間に取り入れるのがおすすめです。

また体を冷やさないようにするため、使用する食材は常温がベターです。ただ、夏など常温で食べる事が難しい場合は、シビアになりすぎず食材をすこしひんやりするくらいに冷やして使用しててもよいでしょう。続けるためにはおいしいことも大切です。その代わり、体を冷やさないためにスパイスなどを活用するのがおすすめです。(スパイスについてはスムージーのバリエーションで学習します)

②牛乳、豆乳、ヨーグルト、市販のジュース、甘味料、サプリメントなどは入れない

2fffafc3e2934766947c7b2bde893a7d_s

牛乳、豆乳、ヨーグルト、市販のジュース、甘味料、サプリメントなどは、生の野菜や果物と消化のスピードが異なります。また市販の濃縮還元ジュースなどは血糖値を急上昇させる可能性が高く、牛乳やヨーグルトなどは日本では質の良いものを手に入れるのが難しいのが現状です。食材への組み合わせや体への働きを総合的に考慮した上で、これらの食材はピュアスムージーには使用しません。

牛乳、豆乳、ヨーグルト、市販のジュース、甘味料、サプリメントなどを使用しない理由

  • 生の野菜や果物と消化のスピードが異なるため
  • 消化に時間を要し、負担がかかるため
  • 砂糖の使用や濃縮還元により、血糖値を急上昇させる可能性が高いため
  • 質のよい素材を手に入れることが困難なため

スムージースペシャリストのメソッドでは、スムージーは腸を美しくし、デトックス力を高めるために取り入れるものなので、消化に負担をかけないことを大切にしています。その点から、牛乳や豆乳、ヨーグルトなど消化に負担がかかるものは使用しません。また牛乳や豆乳、それを材料としてつくるヨーグルトは、安全性や質の問題についても現在いろいろな意見があります。質の高いもの、安心して取り入れられるものを入手することが難しいというのもスムージーには使用しない理由です。

また、基本的に水や氷も使用しません。これは胃酸を薄めたり、体を冷やさないようにするため、消化器官を冷やして臓器の働きを疲弊させないようにするためのポイントです。

③ひとつのスムージーに使用する食材はシンプルに

これも消化に負担をかけないための大切なポイントです。食材をシンプルにすることで、より消化に負担をかけず、素材の味を活かしたおいしいスムージーとなります。

具体的に使用する食材の数は、グリーンタイプのスムージーではグリーンを1種類と果物などを2、3種類、カラータイプの場合も合わせる食材は2、3種類が目安です。

4c226ed5411061c7cd867bab933aa1ec_s

④しっかり撹拌(ミキシング)する

しっかり撹拌することで、栄養素の吸収率がアップし、食物の酵素が活性化します。

栄養素の吸収率がアップする

食物の栄養素は細胞の中にあるため、私達が利用するためには正しく消化、分解して取り出す必要があります。しかし果物や野菜の細胞壁には、消化・分解が難しい物もあります。

特にLesson1-3で少し触れたデトックス効果の高いクロロフィルは、葉野菜(グリーン)のセルロースという固い細胞壁の中に存在増します。セルロースは地球上で最も硬い素材の一つとされており、現代人の弱った咀嚼力と胃酸の力では、分解、吸収がしにくいという問題点があります。

ミキサーでしっかり撹拌することで、セルロースの細胞壁を破壊しクロロフィルやアミノ酸を細胞から取り出せるので、しっかり吸収できるようになります。そのため、サラダとして食べるよりもずっと吸収効率がよくなり、その吸収率の差は約2倍というデータもあります。

スムージーを作る際、しっかり撹拌していると全体的にじんわりと緑の色が濃くなってきますが、これがクロロフィルが細胞壁からしっかり出てきている証拠です。

FCFS_hourensou500

酵素が活性化する

「酵素の活性化」について、実は多くの日本人は意識しないうちに実践されていることがあります。「焼き魚に大根おろしをそえる」、「風邪の時にりんごのすりおろしを食べる」というのは昔ながらの知恵ですが、これは科学的にも理にかなっており、すりおろしたり撹拌することで、酵素の働きが活性化するのです。その活性度は約2倍〜3倍といわれています。

ただ、酵素が活性化すると酸化も早まるため、すり下ろしたらすぐに食べる事が酵素をしっかり取り入れるためのポイントです。

ミキサーにかけると栄養素が壊れてしまうのでは?という疑問について

スムージーを作る際、栄養素が壊れることを心配してミキシングする時間が少ない方もいますが、酵素やビタミン、ミネラルなどの変性で一番大きな問題は温度による変性、破壊です。しっかり撹拌しても、酵素やビタミンが変性する温度の48℃以上に高温になることはあまりありません。
そのためしっかり撹拌して細胞壁を破壊し、栄養の吸収率がよく滑らかで美味しいスムージーを作りましょう。

※ただし、ミキシングしている時にモーターやスムージーが熱くなりすぎるようなら、一度ミキサーを止め、水分の多い果物を多く入れてミキサーがまわりやすいようにするなどの工夫をしましょう。
※パワーの弱いミキサーでは、長時間撹拌しても滑らかにはならず、スムージーの温度だけが高温となってしまう場合があります。200W程度のパワーがあるミキサーを選ぶのがお勧めです。
※撹拌すると、すり下ろした時と同様酵素が活性化するため酸化も早まります。栄養素をしっかり取り入れるという点では出来立てを食べるのがベストです。また、撹拌するときの酸化が気になる場合は、真空状態で撹拌できるミキサーも販売されているのでそいういった製品を使用するのもよいでしょう。

⑤オーガニックなど、できるだけ安心できる食材を使用する

d074c86c06d20749de35a17ee75f0960_s

スムージーには皮ごと食べられる安心食材をできるだけ使用してください。その理由は、野菜や果物の皮などには今大変注目されているファイトケミカルがたくさん含まれているからです。

アンチエイジングのキーワード「ファイトケミカル」

近年美容や健康のキーワードとして注目度が高まっているのが「ファイトケミカル」です。これは植物が外敵や紫外線から身を守るために創り出した、天然の化学物質とも言われています。抗酸化作用、アンチエイジング効果が期待されているファイトケミカルですが、実は私たちが普段食べる「実」よりも「外皮」や「中袋」に多く含まれています。

これらの部分は普段捨ててしまうことが多い部分ですが、ミキシングすることで簡単においしく取り入れる事ができます。これがスムージーの大きなメリットの一つです。

皮に残った農薬の影響は?

このように栄養価が高く丸ごと取り入れたい果物や野菜ですが、皮を剥かないとなると、気になるのは残留農薬の影響です。そのため、できるだけ栽培方法など安心して使用できる食材を使用してください。農薬などは一度取り入れると体外排出が難しいものの一つです。体に良いものとして取り入れているスムージーですから、食材にも少し気を使ってみましょう。

しかし全てをオーガニックや無農薬でそろえることが難しい場合もあります。その場合は、農薬を取り除く手段を知っている事も大切です。農薬除去が可能な食品用の洗剤や農薬落としなどで食材をしっかりと処理し、丸ごと使いましょう。農薬除去できる食品洗剤は様々な製品が出ていますが、化学物質を使用していないもの、合成界面活性剤不使用のものを選びます。

また、オーガニックの野菜や果物は慣行栽培(通常の規定使用量の農薬を使用した農法)よりも栄養価が高いのも魅力です。スーパーで見比べると価格差が気になり毎日買うのは難しいかもしれませんが、ファーマーズマーケットや直売所では、新鮮で安心できる食材がスーパーよりもお手頃価格で購入できます。ぜひお近くにあれば足を運んでみましょう。農家さんと話すことで、食材の事を知れるとても楽しい機会にもなります。

⑥出来立てを食べる

a0002_010093

食べるタイミングのベストはやはり出来立てです。「作り方のルール4」でミキシングすると酵素が活性化するとお伝えしましたが、酵素が活性化している状態は発酵が進みやすい状態でもあります。時間が経ったスムージーを食べると、胃が張ったような感覚があったり、ゲップが出ることがあるのはこのためです。

また酸化のスピードも早まります。スムージーを作ってから時間が経過すると色や味が変わるのはこのためです。「酸化」とはりんごなどの切り口が茶色く変色する現象ですが、人間にとっても食べ物にとっても、「酸化=サビ」はできるだけ避けたいものです。酸化に弱いビタミンなどの栄養素もあるため、栄養素を効率よく取り入れるためにも出来立てを食べましょう。

また夏はできるだけ常温での保存や持ち運びをさけましょう。衛生的な問題もありますし、温度が高くなると更に発酵・酸化も進みやすくなります。ただ、冷蔵庫にいれて半日程度なら保存も可能です。その場合はできるだけ空気に触れないようにする、酸化防止のためレモンを少ししぼるなど、できるだけスムージーが発酵・酸化しないよう工夫しましょう。

⑦葉野菜は、「おいしい」と感じる量を使用する

グリーンタイプのスムージーを作る時は、葉野菜を入れすぎないことが大切です。自己流のスムージーが習慣にならない理由の一つは、グリーンの入れ過ぎでスムージーが美味しくなくなってしまうことです。これでは継続することができません。葉野菜を大量に入れると健康的な印象があり量を増やしてしまいがちですが、それにより習慣化出来なくては本末転倒です。

葉野菜と果物の黄金比

a0002_005904

グリーンタイプのスムージーの、葉野菜と果物のベストバランスはグリーン:フルーツ=4:6です。これはミキサーやブレンダーのコンテナに入れた際の見た目の比率ですので、おおよその目安とし、この黄金比を基本として覚えておきましょう。

ただ、スムージーが初めての方や、青臭いのが苦手な男性やお子様は、1:92:8くらいのフルーツ中心のスムージーから始めてみましょう。初めての味を人間の脳は強く記憶します。一度おいしくないと感じてしまうと、それ以降もう続きません。スムージーは習慣化がとても大切です。毎日取り入れたくなるようおいしく作りましょう。

体が変われば、たくさんのグリーンが美味しく感じるように!

葉野菜(グリーン)の量に関して、取り入れ始めたばかりの時に葉野菜が多量のスムージーをおいしく感じないのは、体が葉野菜に慣れていないためにうまく吸収できない、という理由もあります。一般的な現代の食事では、生の葉野菜を摂取する機会はほとんどありません。そのため、急に摂取量を増やしても体は対応できないのです。
体が葉野菜に慣れ吸収率が上がってると、量を増やしても自然とおいしく感じるようになるので、そのように変化してきたらおいしいと思う量で葉野菜を増やしてみましょう。

自分の体と相談しながら取り入れていくことが大切です。これはずっと健康でいられる食スタイルと生活習慣を作っていく際にとても大切なポイントです。

以上が、野菜や果物の力を最大限に引き出すピュアスムージーの作り方基本の7つのルールです。これを意識するだけで、今までのスムージーよりもずっとおいしくて素晴らしい力を持ったスムージーを作ることができます。

次からは、さらにしっかり効果を発揮させるための応用ルール4つを学習していきましょう。

Lesson1-4のまとめ

  • 作り方の基本ルール7つを押さえることで、より効果的なピュアスムージーを作る事ができる。
  • 大切なことは、ルールやポイントを押さえながら、体の声を聞いい取り入れていくこと。これはずっと健康でいられる食スタイルと生活習慣を身につける秘訣である。