Lesson5-1 ファイトケミカル アンチエイジングに欠かせない自然の宝石

Lesson4で学習した「止められる老化」。アンチエイジングのキーワードとして今注目を浴びているのが、ファイトケミカルです。

ファイトケミカルとは

赤ワインのポリフェノール、トマトのリコピン、ブルーベリーのアントシアニン、大豆のイソフラボンなどは、ご存知の方も多いでしょう。これらは全てファイトケミカルの一種です。

ファイトケミカルとは、植物が持つ、色、香り、苦味などの成分です。足がなく外敵から逃げられない植物が、外敵や紫外線から身を守るために身につけた物質で、人間にとっても大きな効能を持つ物質ということで近年注目を集めています。

ファイトケミカルは野菜や果物などを含めた全ての植物の葉、果皮、種、茎、根などに含まれていて、一つの植物にいくつものファイトケミカルが含まれています。

ファイトケミカルの種類は数千種類〜1万種類はあると言われているほど種類が多く、栄養効果も多彩です。活性酸素を取り除く抗酸化作用以外にも、老化、動脈硬化、コレステロールなどの広範囲にわたる病床の予防や、体質の改善に優れていることが近年の研究によりはっきりと分かってきました。なかでもその抗がん作用に期待が集まっています。

また、ファイトケミカルは、加熱調理でも栄養素が破壊されにくいという特徴もあります。

ファイトケミカルの分類には様々なものがありますが、ピュアスムージーでは色を取り入れたカラータイプのスムージーを用いるため、7色の色による分類を主に用います。これが一番わかりやすく、取り入れやすいためです。

色によっても様々な効能がありますが、難しく考えすぎず、7色の食材を1日の食事の中にバランスよく少しずつ摂取することを意識しましょう。いろいろな食材を取り入れているつもりでも、実は偏っている場合が多いのです。

細かく全てを覚える必要はありません。スムージーにすることにより、効率的にバランスよく、7色のファイトケミカルが摂取しやすくなります

7色のファイトケミカルを取り入れやすい方法は、グリーンと合わせてカラースムージースムージーを取り入れることです。食材の色を意識して赤や黄色や緑やオレンジや紫などの食材を生かしたスムージーを作ってみましょう。その他黒や白などスムージーで取り入れにくい色の食材は、普段の食事で意識して摂取すると、バランスよく食べることができるでしょう。

次からファイトケミカルと色の分類をマスターしていきましょう。普段の食生活では、どの色が取り入れやすく、どの色が不足しがちでしょうか?

7色のファイトケミカルの分類

左から、特徴/注目される主な効果/含まれる主な野菜・果物の順で記載しています。

赤色のファイトケミカル

  • リコピン ビタミンEの100倍、カロテンの2倍以上の抗酸化力を持つと言われる/がん予防、動脈硬化予防、紫外線・アレルギー対策など/トマト、すいか、金時にんじん、柿など
  • カプサイシン リコピンと同等かそれ以上の抗酸化力を持つ/がん予防、動脈硬化予防、善玉コレステロールの増加/パプリカ、トウガラシ

4978170d961f0950edf6125fd0aea7b4_s

橙色のファイトケミカル

  • プロビタミンA 体内でビタミンAに変換される/がん予防、コレステロール調整/かぼちゃ、にんじん、みかん、ほうれんそう
  • ゼアキサンチン 加齢による視力低下予防、がん予防/パイア、マンゴー、ブロッコリー、ほうれんそう

9d61ad90d1b4bed77988731539e4511c_s

黄色のファイトケミカル

  • フラボノイド 毛細血管の血管壁を補強して血流を促す/たまねぎ、ほうれんそう、パセリ、レモン、かんきつ類
  • ルテイン 加齢による視力低下予防、がん予防、動脈硬化予防、肺機能の向上/とうもろこし、ほうれんそう、ブロッコリー、ゴールドキウイ、かぼちゃ

73eb04b04b26d00a3d9536adb7dc0b7e_s

緑色のファイトケミカル

  • クロロフィル がん予防、コレステロール調整、消臭・殺菌効果/ほうれんそう、モロヘイヤ、ブロッコリー、おくら、春菊、緑ピーマンなど緑の野菜

131b5ff5ce0e60c86bda4a13212aef33_s

紫色のファイトケミカル

  • アントシアニン 加齢による視力低下予防、高血圧予防、肝機能の保護/なす、紫いも、赤しそ、紫キャベツ、トレビス、ベリー類、黒豆

175c20edb6fdae794c9efbeb25e5af7c_s

黒のファイトケミカル

  • クロロゲン酸 コーヒーの苦味や香り、ごぼうなどの野菜の切り口を変色させる成分/がん予防、血圧調整、血糖調整、ダイエット効果/ごぼう、ヤーコン、じゃがいも、バナナ、なす
  • カテキン タンニンとも呼ばれる渋味成分/がん予防、コレステロール調整、ダイエット効果/緑茶、柿、ワイン

713703d0d85617893a919e81e84c852d_s

白系のファイトケミカル

  • イソチオシアネート スプラウト類や大根などの辛味成分/がん予防、ピロリ菌対策、コレステロール調整、血液さらさら効果/キャベツ、大根、ワサビ、ブロッコリーなどアブラナ科の野菜
  • 硫化アリル にんにくの刺激臭や辛味成分、玉ねぎを切るとき涙が出てくる原因となる成分/がん予防、抗菌効果、高血圧予防、血液さらさら効果/ねぎ、たまねぎ、にんにく、にら

3233a9bcd166d272148aac9a058b1f6c_s

ファイトケミカルは植物からの贈り物、その色は天然の宝石のように美しいものです。カラーのスムージーにすると、その美しさがより際立ちます。食卓にレインボーカラーを取り入れてみましょう。カラースムージーの作り方はLesson6で学習します。

Lesson4-4 まとめ

  • 植物が持つファイトケミカルは、高い抗酸化作用や、抗がん作用効果が期待されている。
  • スムージースペシャリストのメソッドでは、ファイトケミカルは7色の分類として意識する。
  • それぞれの色には様々な効能がある。カラフルなスムージーを取り入れることで、バランスよくファイトケミカルが摂取できる。

*関連コラム*

【植物以外も持っている!?以外なファイトケミカル】